2019/07/24【日記】森の暮らしは昆虫パラダイス!?

さて、季節はめぐって夏である。
森に来た頃は朝晩寒くって布団の中でウトウト、グータラしていた僕だけれど、この頃はそんなに長く布団にもぐってはいない。

高地の森は基本的に過ごしやすい。

まず単純に気温が低い。そして木々は日陰をもたらす。カンカン照りの夏日だって朝晩は肌寒いくらいだ。

とはいえ日向は普通に暑い。汗だってでる。ということはアイツらだって元気になってくる。

アイツらというのはつまり「虫」である。そして「カビ」である。

■あれ、何かおかしい…

東京で用事があって2、3日家を空けたことがあった。鍵を開け小屋に入った僕はすぐに異変に気づく。

無数の黒い点が床を蠢いている。

無論マックロクロスケなんていうロマンに満ちた者たちではないことは明らかだ。

その正体は「アリンコ」である。

どこから入ったのか(いや、いくらでも入口はあるのだが…)砂糖瓶の周りに集合している。

砂糖をいっぱい入れて飲んだ紅茶のカップにもいっぱい…。

しかも一匹一匹が結構でかい…全長一センチくらいある。

食べ物がないところにもいっぱい。

もういっぱいいる、としか表現のしようがない笑

たぶん、数十から百くらい。

それ以来、ぼくは紅茶に砂糖を入れるのをやめました。

この世に言う「アリンコ事件」は、後の僕が虫に対して敏感になるきっかけとなった出来事である。なお夏になったのが関係してるのかどうか分からない。

■寝ていると顔に飛び乗ってくるそれは…

夜、眠っていると、僕の顔に飛び乗ってくる奴がいる。カマゾーマ?カラゾーマ?よくわかんないけど、そんな感じのドラクエの呪文みたいな名前の奴だ。

大きさは5センチくらいかな。一言でいえばバッタみたいな奴だ。

飛び跳ねる。

カサカサ音を立てて歩く。

時々、静かに忍び寄ってきて突然視界に入ってきてぎょっとするけど基本的に無害な奴だ。

小屋の中で結構よく見かける。
探せば常に5、6匹はいるんじゃないかな…

無害な奴だと信じているので、放っておいてる。

■僕の寝顔を優しく見守ってくれる

夜、その日の1日を反省しながら、布団に入り、天井を見上げると時たまソイツはそこにいる。

でっかいクモ。

僕が眠っているのを静かに見守ってくれている心強い存在(?)だ。

名前は知らない。たぶんゴキブリとかを食べる奴。なんて言ったかなぁ、名前聞いたことあるはずなんだけどなぁ。ちなみにこいつも飛び跳ねる。

■1番嫌な奴

虫っていうのは不思議なもので、寝るときに1番気になる。それまでもきっとそこら辺をウロウロしてるはずなのに、

「よし、寝よう」と思うと気になってくる。寝るときに気になる虫といえばアレだ。

僕の一番嫌な虫。
それは、蚊!
なんてったって蚊!
なんならゴキブリよりも嫌だ。
こいつの煩わしさは皆さんもよくご存知なはずなので説明は省く。森でも同じように嫌な奴だ。

■都会で見たけど、森では見ない虫

それはゴキブリ。
僕が気が付かないだけなのか、森では一度も見たことがない。

■静かなる敵…

今まであげた奴らはみんな、カサカサゴソゴソ音をたてる。或いはプーンと羽と音を立ててよって来る。しかし、一番怖いのは静かなこいつ…静かに忍び寄り、僕の体を蝕むのだ。その正体は「カビ」

これも2、3日小屋を留守にした時の話。何日も雨が続いていた。帰ってきて、晩ごはんでも作ろうか、と道具を手に取りギョッとする。

「なんかフワッフワなものに覆われてるーっ!」

特に僕が自分用に手作りして使っていた木のスプーンとか、しゃもじとかがフワフワな何かに覆われている!緑色の綿飴みたいだ笑

器たちも緑の点々が、ビッシリ。

梅雨入りして、雨が続いていたこともあったけど、森の中の小屋は日当たりがものすごく悪くてジメジメしてる。まぁ、そのおかけで暑くはないんだけど、、、。

森は自然のダムと言われることがある。雨を蓄えてゆっくりゆっくり流すから、災害を防ぐ役割を担っている、という説明を聞いたことがあるけど、実際森に住んでみるとそれを実感する。

晴れの日が何日も続いても、森の中は常に湿っていて乾くことがない。小屋の中で、紙類は常にしっとりしてる。当然カビが生えてくる。

小屋の中で暮らしていると、虫は確かに気持ち悪いけど、基本的にそんなに悪さはしない。(まぁ蚊とかダニとかは刺されると病気のリスクもあるから怖いけど、他は慣れればかわいいもんだと、強がって言ってみたりする。)

けれど、カビは実害がある。パンは食べれなくなるし、食器類もいくつか処分するはめになった。

寒くて布団から出られないのもつらいけど、暖かくなってジメジメしてカビに侵されるのはもっとめんどくさい…。とりあえず定期的に煮沸消毒をしてるけど、どのくらい効果があるかは分からない。

夏になって現れる敵でやっぱり一番めんどくさいのは「カビ」だと思う。

■ピカピカ光るアイツ

ホタルである。外を飛び回っているが、毒にも薬にもならない。

■まとめーー虫と僕といの関係について

要するに虫たちの世界にお邪魔してるのは僕の方だ、ということ。
いわば虫たちの楽園に勝手に上がりこんでる僕の方が「侵入者」に他ならない訳なので、まぁ、彼らがサカサ音を立てていようと、ピョンピョン枕元を飛び跳ねようと、お邪魔してますーって感じであんまり気にしないことが大事ですね笑

※追記①ーー2019/07/25紅茶のパックがカビにやられました。100個分の10個しか消費してないのに、、、。

※追記②ーー2019/07/28ソファベッドがカビにやられました、、、。

2019/07/24
重税に喘ぐ農民、記す
junota

■2019/05/22【日記】#19.コインランドリー/選択する機械

店内は静かだった。
目の前で回る洗濯乾燥機を目の端で感じながら僕は小説を読んでいた。この時間のコインランドリーは静かで、店内の明かりは妙に青白く感じた。深夜のラジオは忌野清志郎とボブ・ディランについてひっそりと語り、僕の衣服がカラカラと乾いた音を立てるほかは、車が店の前の国道を猛然と通り過ぎるエンジン音が時どき聞こえてくる以外には何も音がない。

森での生活は週に1度ポリタンクに20リットルの水を汲んできて、それを一週間でぴったり使い切る、というサイクルが出来上がっていた。

一週間に20リットルの用途は、炊事、食器洗い、手洗い、植物への水やり、が主なものだ。
風呂は近くの銭湯へ行っている。そして、洗濯は溜まったらコインランドリーへ行くことにしている。

なにしろ水源がなく、排水の設備もままならないので、大量に水を消費する風呂と洗濯は外部のサービス頼った方が合理的だからだ。

音もなく自動ドアが開いた。
ちら、と顔を上げずに様子を伺うとそこには少女がひとり立っていた。

ーーこんな時間に?

顔を上げて少女の方に視線を向けると、彼女も僕の方を見つめている。

緑がかったグレーと言ったらいいのか、複雑な目の色をした、どこか異国風の顔立ちの不思議な雰囲気の少女だった。例えて言うならば、レ・ミゼラブルのコゼットが物語の中から抜け出してきたみたいだった。

「どうしたの?」僕は声をかける。

おうち、かえる

「迷子?どこからきたの?」

すると少女は出入り口からいちばん離れた辺りの洗濯乾燥機を指さして、おうち、かえる。と繰り返すのだった。

少女は僕に向き直ってひとくちクリームパン(仮にそんな商品があればだが)のような左手を僕に差し出した。握りしめたその手を開くとそこにはどこの国のものか分からないコインが1枚乗っていた。

あげる。

僕はそのコインに手を伸ばす。
コインに触れたその瞬間、あれれ…と思う間もなく僕は身動きが取れなくなった。

少女と同じ目の高さになるように腰をかがめたまま、右手を前に突き出して人差し指と親指とでコインを摘んだ姿勢のまま、どうやら僕は金縛りにあってしまったらしい。

少女はまっすぐ僕の目の奥を見つめた。
「左から二列目、下の段」
そう言い残して彼女はすたすたと左から2列目の下の段の8kg用の洗濯乾燥機へ向かい、ドアを開け、例の不思議なコインを入れ、そして、そして中に入ってゆく…!

僕は止めなければ!と思うのだけれど、どうにも体が動かないし、声も出せない。
じわっ…と急激に汗がにじみ出てくるのを感じる。鼓動が速くなる。汗が玉になって額から垂れ、鼻の先まで流れ、そして床に落ちる。

ぱたん

少女は表情を変えないまま、ドアを閉めてしまったのだった。

その瞬間、急に僕の体は動くようになってバランスを崩す。金縛りがとけたのだ。
どうやら少女のかけた催眠の効果だったらしい。慌てて僕は左から二番目の下の段の洗濯乾燥機の前へ駆け寄る。
機械はすでに回転を始めている。

空だった。

空っぽのドラムが音もなく回り続けている。僕は唖然として、もう一度金縛りにかかったみたいに動けなくなった。

「25年分のローン返済が残ったまま火事で焼けていくマイホームを眺める家主」を描写したい漫画家がいたら、その時の僕の表情を参考にしたら良いと思うのだが、写真が残っていないのが残念だ。

8分のあいだ回りつづけ、ご丁寧に機械はCDの表示をしながら冷却のための2分間回転する。

ぴっぴー、ぴっぴー…とブザーがなって、機械は止まる。

僕はドアを開け、中を調べる。

やっぱり少女はいない。
ドラムを手で回して確かめたけど、出てこない。

何だったのだろう。
夢だったのだろうか、と自分を疑い始めたとき、自分が片手にコインを握りしめているのに気がついた。

やっぱり夢ではない。
少女は確かに存在し、僕にコインを手渡して「帰って」いったのだ。

僕は立ち上がり、深呼吸をする。

ーー帰った?
ーーどこへ?
ーー洗濯乾燥機の中へ。

僕はゴクリと音がなるくらいの感じで唾を飲み込み、左から二番目の下の段の洗濯乾燥機の前に再びしゃがみこむ。

ドアを開ける。
そして、コインを入れる。
画面には08の表示が現れる。

そして、そっと頭を入れてみる。
まだ、ほの暖かい。
擦れた金属の匂いがする。

肩まで入る。

そこで僕は気づく。
この洗濯乾燥機は僕が入るには狭すぎる。
なにしろ一番小さい8kg用の機械だ。

せっまいなぁ…入れないよ、なんて考えていると、びろろろろ…と間の抜けた音がなり自動ドアが開く。

でっかいカゴを抱えたおばちゃんが乾燥機を使いに店内に入ってきたのだった。

乾燥機に頭を突っ込んだ姿勢の僕は、間が悪くなって、「入念に忘れ物がないかを確かめていた人」を装ってゆっくり頭を出す。

さて、と…なんて小さく呟いたりなんかしてから、そそくさと荷物をまとめて店を出た。

ーー何だったんだろう。
ーーあの少女はどこへ行ったのか。

少女が指定したのが一番小さい8kg用の機械でなくて、もっと大きなもの例えば25kgかあるいはせめて18kg用の機械だったら…もしかしたら僕は何かの拍子に体全体を入れてしまっていたかもしれない。

そして物語の扉は開かれていたかもしれない…チョッキを着た白ウサギと出くわしたりなんかしている世界もあり得たかも知れない。

コインランドリーーー選択する機械
たぶん選択というのは常にこんな風になされるものだ。

…と、いうような具合に

妄想を膨らませるのが正しいコインランドリーでの時間の潰し方である。決してビッグコミックを読んだりなんかして使ってはいけない。

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2019/05/22

こんなくだらない文章を書きたい夜もある

junota