#18.水のはなし

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上水はあるけど下水の無い土地!?

エジプト、インダス、メソポタミア、中国ーーー古来より人間たちは水の近くを居と定め、文化文明を育ててきた。人間は水を飲まずには生きてゆかれないし、農作物を育てるにも掃除や洗濯をするにも水があると何かと便利だ。水は便利だけど、めちゃくちゃ重たいので運ぶのが面倒くさいし疲れる。だから水のすぐそばに住んできた訳だ。しかし、現代日本に限って言えば、水は手に入れるよりも捨てるほうが圧倒的に面倒くさい。今回は森で暮らす上での「水」との付き合い方について書いていきたい。

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はじめて農業委員会へ行って、農地転用許可とはどういったものかを聞いてきた日のこと。関連する部署をついでに回ってみた。まずは建設課。

ここで、接道はあるか、用途地域はどうか、その他に制限はあるかなどを聞いてみる。とりあえず、問題になるようなことはなかったのだけれど、このエリアでは例えどんなに小さな建物であっても更地に建設する場合は確認申請が必要になるらしい。小屋暮らしの先輩たちからの情報では延べ床面積10平方メートル以下であれば確認申請が不要と聞いていたので、そのサイズの小屋を作る予定だったのだけれど、、、。
どっちみち確認申請が必要になるのなら10平米以下に押さえるメリットはそれほどないため、少し大きめの小屋を検討することになった。

次に水道課。
ここで、上下水道の有無を調べてもらう。土地の住所を伝えるとすぐにパソコンで調べてもらえる。「【土地所在地】なんですけど・・・」
「(パソコンを見ながら)あー、上水に関しては、菅が来ているので、問題ないんですけど下水は・・・」

どうも、下水菅が来ていないらしい。
下水管が通っていないとなると、水を流せないではないか。

聞くと、そのような場合は「合併式浄化槽」なるものを地中に埋めて、バイオの力で浄化してから側溝に流すのが普通のやり方らしい。

僕の場合も浄化槽の設置を勧められたのだけれども、どうも、設置には60~100万円程度掛かるとのこと。30万ほどは補助金が出るらしいので、実際に必要なお金は30から70万ということになる。

そんなの貯金がみんな無くなっちゃうよ!他にやり方はないの?

とダメ元で聞いてみたけれど、ヒントになるようなことはなのも教えてもらえなかったので、とりあえず浄化槽の設置業者をいくつか教えてもらって水道課をあとにする。

対策を考えるーーまずは敵を知ろう

んーどうしたものかな。ちょっと浄化槽の設置費用は払えないなぁ、、、。だって、僕の全財産は60万なんだもの笑

市役所の駐車場に停めた車の中で色々と調べてみる(無料のWi-Fiが飛んでる)。

上水は森から車で20分ほどいった場所(手伝いに行っている農家の畑のすぐそば)に、自由に湧き水を汲める場所があったので、そこに汲みに行けそうだ。しばらく生活してみた結果、1週間に20リットルもあれば十分だと分かった。毎週タンクを積んで車を走らせている。

となると問題はやはり排水だ。
排水に関して、調べてみて分かったことをまとめてみると次のようになる。まず、排水には大きく二種類のものがある。

・トイレの排水

ひとつ目は、トイレの排水である。これは、どうやら、汲み取り式のトイレの設置かコンポストトイレ(微生物に分解してもらって、堆肥化するトイレ。山小屋とかにある。)を作ってどうにか対処を出来そうだ。(それで法律的に大丈夫かと水道課に電話で問い合わせてみると「グレーゾーン」との回答でした。)

・生活雑排水

問題はもうひとつの生活雑排水だ。
こちらは、トイレ以外の排水。食器を洗ったり、お風呂のお湯だったり、米の磨ぎ汁だったり、、、、そういう水のこと。それについてはやっぱり合併式浄化槽がいいらしい。こいつのいいところは、排水を基準値以下にまで浄化する事が数値的に保証されている所にある。そのため環境を汚染するリスクがかなり低くなるのだけれど、初期の設置費用に30から50万ほどかかる上、定期的な清掃や点検の義務もあるため、ランニングコストもそれなりに掛かってくるという金銭的なデメリットがある。

僕のような貧乏人にはちょいとキビシイ。

・ポリシー違反はないか?(単に貧乏性なだけか?)

さて、合併式浄化槽というのが便利なものだということは分かった。お金を出せばそれが手に入るということも分かった。けれど、そこに飛びついて良いんだろうかという風に問い直してみる。そういうことを問い続けなければ、僕がこうやってわざわざ森で不便な暮らしをしている意味が無い。

不便なことをお金で解決するということ人任せにしていることに他ならないわけで、それは「なんでも自分でやってみる」というこの暮らしのコンセプトに反してしまう。どうにか工夫をしてその不便さを自分で引き受けられないものだろうか、、、。

バイオジオフィルターって?

調べるとバイオジオフィルターなるものがあるらしい。パーマカルチャー界隈の人たちがブログに色んなことを書いている。僕のざっくりとした理解では、人工的に池と小川をつくって、そこに排水を流す。

流れの途中に汚れを浄化する性質を持つ植物をうえて水をきれいにする生態系をつくる。水が流れるスピードや植える植物を工夫すれば池に届く頃にはきれいな水になっている(あるいは、ゆっくり吸収させて分解させる)という訳ですな。

なるほどーと思う反面、僕には少し疑問が残る。それは「それって、そこら辺に排水をばら撒いて地面に吸収させるのとどれくらい違うの?」ということだ。

排水は地面に吸収され、長い時間をかけて微生物に分解され、天然のフィルターで濾過されて地下の水源となる。湧き水となって再び僕らの所へ戻ってくる・・・なんとなく成立してそうな理屈である。

けれど、よくよく考えるとよく分からない。本当に分解されたのかどうか、本当に水資源を汚染していないかどうか、僕のような素人には確かめようがないからだ。

そう考えると、池に貯まった水が水が本当に基準値以下になったことをチェックした上で側溝に流すという事が可能という点でやっぱりバイオジオフィルターをつくることは、地面にばら撒くよりも周りの人たちに迷惑をかけるリスクは低そうだ。

けれど、、、正直に言って僕は「バイオジオフィルターを作るぞー!」という風にはあんまし思わなかった。

結構大掛かりな工事が必要になるということと、水質のチェックが面倒くさそう…ということが理由だ。

もし仮に小川と池を作って全然浄化されてなかったらどうしよう…池に溜まった水を流すこともできないまま、途方に暮れることだけは避けたかった、、、笑

敷地内にある小川には夏にホタルが来るらしいので、でっかい工事をしてホタルが来なくなったりしたら悲しいので、なるべく大きな工事はしたくないという気持ちもある。

結局こうなった、、、

ということで僕が考えた作戦が【ぜんぶ蒸発させちゃう作戦】である。

こんなものを作った。

板ででっかい皿のようなものを作ってその上にブルーシートを被せて下に水が垂れないようにする。

その上に落ち葉を盛って、排水を少しずつ染み込ませる。(こうすると、枯れ葉の微生物が汚れを分解してくれると同時に、表面積が増えて乾燥が早まるのではないかという算段だ)

日当たりの良いところに置いておくと表面からどんどん乾いてくるので、たまにかき混ぜてやる。

天気が良ければどんどん乾いていく。

これで役所の人が来ても「排水はしてない!」と胸を張って言うことができる、、、はずである。

残った落ち葉はどうするのかというと、ドラム缶に入れて燃やしちゃう。

シャンプーも洗剤も使ってないので、特に分解しされにくい成分は僕の出す排水には入ってないはずだけれど、

用心するに越したことはない。

排水蒸発器の製作動画はコチラ

今夜も狐が鳴いている。
2019/05/09
junota

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