■2019/03.10【日記】#01.とりあえず会社をやめてみた。

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2019年1月25日

 

いま、たった今――僕は会社をやめることにした。

そう思い立った瞬間、

 

「おいこら、何やってんだよ!」

 

と親方の怒鳴る声がした。

僕の仕事は大工だ。

 

柱やら梁やらを組み上げて建物の骨格を作っていく「建て方」と呼ばれる作業中のこと、目の前にたち並ぶ自分の会社が作った家々を見て、僕は突然に会社をやめたくなったのだった。

 

突然に、と書いたけれど、

やめよう」なんてことはこの一年間、いや入社したころから、いやいや入社する前から、ずっと思い続けてきたことではあった。

けれど、その「やめよう」というのは、その前に「いずれ」という言葉がつく類のものだった。

今回の「やめよう」は今すぐ、とにかく今すぐにこの場から立ち去りたい

という強烈な感情だった。よっぽど、具合が悪いと言って早退したかったくらいに・・・まぁしなかったけど。

「コレジャナイ!」

たぶんそれは「実物」を見てしまったからだと思う。

「実物」には人の心に働きかける強い力がある。「頭」に働きかけるんじゃなくて「心」に働きかける。

 

僕は自分か関わった住宅の群れをみて強烈に「コレジャナイ!」と思ってしまったのだった。

僕が大工として働いた期間は2年間、たった2年である。

しかも1年強はマンションの躯体工事やら、鉄筋工やら住宅の基礎作りやら、コンクリートにかかわる内容だったから、木造の、いわゆる「大工さん」の仕事をし始めてからは1年にも満たない。

 

そのくらい齧ったくらいで何がわかるんだ、と思われるかもしれない。実際そうなんだろうとは思う。その先、5年、10年経験を積み重ねれば、見える風景は違うのかもしれない。けれど、実際に完成した家を見て、

自分の目指すべきものはコレじゃない!

と思ってしまったのだから仕方がない。

予定は未定・・・。

その瞬間から、僕の頭の中には会社をやめるという選択肢しかなかった。その日の仕事は1日中集中できず、無気力なまま時間が過ぎた。

たぶん0.01人工くらいの働きしかしてなかった。

いくら怒鳴られようが気にならなかった。

 

とりあえず」やめるということはその時に決めたわけだけど、

それ以外のことはなんにも決まってなかった。

予定は未定・・・。

 

―――行き先未定の引っ越し準備をしつつ。20190310 junota

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